手抜き工事のメリット?

昨日、事務所にお客様がいらっしゃいました。

突然の訪問に席を外していた私は、急遽事務所に戻り、お客様の対応をさせて頂きました。

当初は断熱塗料での外壁塗装を希望と言うことで、金額を知りたいということでしたが、

話は塗装業者は信じられないと言うことに変わっていきました。

お客様の話ですと「お宅のHPなどを見させてもらった。お客のことばかり書いてあるが、

会社のことが書いてないから、どんな会社か分からない」と言うことでした。

私は「会社概要や理念を見ていませんか?」と尋ねると

「見たよ。でもそれが本当なら良いと思うが、どうか分からない。

関○ペイント辺りも同じようなことは言う」

(関○ペイントとはこの辺りで訪問販売の塗装会社です。

あまり評判がよくない会社で、下職からも敬遠されているような会社です。)

私はこの言葉を聞いて「この方は何しに来たのだろう・・・」と考えてしまいました。

どんな言葉をかけたとしても、信じる気持ちが無い人間に対して話す言葉が無いからです。

ただ、私も最後まで誠意を持って対応させて頂こうと思ったので、

自分の会社のメリット・デメリットをお話させて頂きました。

お客様からもらった声の中には、悪い部分を指摘するものもあります。そういったものを見せ

「私どもは、こういった言葉をもらって真摯に受け止め、精進しています。

私どもは完璧な会社ではありません。ただお約束できるのは、最善を尽くすことです。」

このように話をすると、結局、名前も住所も語らず帰っていきました。

私が後からお客様に質問すれば良かったと思ったことがありました。それは、

「手抜き工事をして、私どもにどんなメリットがあるのでしょうか?」と。

例えば関○ペイントが手抜き工事をするメリットは分かります。

あそこは、利益主義ですから、高く商品を売り、下請けに安く仕事を出します。

スズメの涙のような工事金額で下請け業者は利益を出す為に手抜き工事をすることは

あると思います。

ただ、私たちは適正な金額を頂いて、自社の職人で仕事をこなしている会社です。

職人を一切泣かしていません。自社で受け自社で施工をする弊社にとって

手抜き工事にメリットが無いのです。会社のイメージを悪くしてまで目先の利益に意味が

無いことが、私たちは知っているからです。

 

私は社員教育でこのようなことを話します。

「幸せの中にお金はあります。しかし、お金の中に幸せは無いです。」

意味がお分かりでしょうか?人間は幸せになりたいわけです。しかし、利益主義の人間はどこかで

「お金=幸せ」と言う定義を作ってしまいます。しかし、これは大きな間違えです

もし、お金が全てなら、人を騙しても、傷付けても、良いわけです。

しかしそれは幸せではありません。

だって人に恨まれ、後ろ指差される人生が幸せとは思えないからです。

まだ、自分だけなら自業自得で良いかも知れません。

しかし自分がやったことで、自分の愛する人間が嫌な思いをすることが、

良い人生には思えないからです。

私が考える幸せとは「条件がそろうこと」です。お金もその条件の1つでしかありません。

生活できたり、少し贅沢なことをしたりする程度があれば、幸せの条件は満たされます。

幸せの条件の中には、貢献の心や愛する気持ち、愛される気持ちなど、様々なものがあります。

誰かに必要とされることも、自分にとって存在を肯定されていることになります。

お金を目的にすれば、幸せのその他の条件をなくすことになってしまうのです。

 

心の在り方が全てです。弊社を信じることも、信じないことも全てはご自身にあるということ。

それを昨日のお客様に伝えられたら良かったかな~と思った本日でした。

諦めない

先日、リフォーム産業新聞の取材を受けました。

テーマは「下請けからの脱却」だそうで、

下請けをやっていた業者が、自社で集客して成功している会社の特集らしく、

下請けの苦しい時代の話をしました。

随分前の話ですので、話していくうちに、思い出すことも多く、当時「こんな思いだったな~」

と感じながら、話をしていました。

 

そうすると、記者の方から、「よく、途中で辞めようとか諦めようという気持ちになりませんでしたね」

と言われ自分でハッとしました。

私の気持ちの中には「諦める」と言う選択が無かったということ。

前に進むこと意外は全く無かったことを確認し、当時の自分から考えると今の状態は

夢のような状態だと言うことを感じました。

「諦めない」と言う気持ちが理想を作ることを自分の過去を思い出し再確認した時間でした。

記者に「最後に下請けから脱却しようとしている業者さんにひとこと」

と言われました。私は「僕は人一倍プライドが高かったので」と言いましたが、

後々、考えてみると少し違うかな・・・と思いました。

 

下請けをやっていた頃、親会社を見て、

「会社をやる為には悪い人間にならなければならないのか?」と絶望を

感じて生きていたことがありました。

そうはなりたくない、自分の中の正義を貫きたい想いが強かった気がします。

それを貫くには、誰よりも努力し力をつけるしかなかったのです。

自分がどう在りたいかが、自分を変化させると私は思いました。