マーケティングと販売

先日、新しいカーディガンを着ようと思ったら、ボタンがポロリ・・・

「新品なのになんだよ~」

と思いつつ、後でつけ直せば良いと思い、そのまま着ていることにしました。

その後夕方になり、袖のところが、5センチくらいほずれてきていました。

「これはダメだな」と思い後日、返品、もしくは新しいものに交換して頂こうと思い、

店に行くと、若い店員さんが、申し訳なさそうに一生懸命、新しいものを探していました。

しかし、在庫がなかったらしく、他店から取り寄せになるということでしたので、

だったら「郵送でうちに届けてください」

と頼んだところ、「郵送料がかかってしまいます」とのこと。

私は思はず「あのさぁ、商品が問題なのはそちら側の問題でしょ?

今日だって、交通費使って時間使って来て、またさらに来いってこと?

だったら、返品するからお金返して」

と言うと、「少々お待ちください」と言って、裏のほうに慌てて戻る店員さん。

その後5分くらいして、「こちらで郵送料持ちますので・・・・申し訳ございません。」

彼は、平謝りで対応するので、「オッケー。じゃあ、お願いします。」

と言って店を後にしました。

その後輸送されてきた商品にを見て、がっかりでした。

なぜなら、商品はしっかり入っていたのですが、手紙が入っていなかった。

私は「気持ち」を確かめたかったのです。もし手紙が入っていれば、お店に電話して

「ありがとう」という言葉が言えたのに。

私も商品が問題なことにケチをつける気はありません。

色々取り扱っていれば、不良品もあるでしょう。

しかし、そのあとの対応が1番なのです。

まさしく「在り方」ですね。

ドラッカーの勉強をしていたときにマーケティングと販売の違いを教えてもらいました。

販売は、業者側の都合の良いものを売ること。

マーケティングはお客様の価値に合わせ、満足してもらうこと。

同じようで全く違います。そこの洋服屋さんは販売をしている会社なのだと気付きました。

次回は、もう行くことはないだろうな~。

 

最後の願い

事務所中に私の怒鳴り声が響き渡る。

大きな怒りの裏に隠されている、大きな悲しみ。

若い職人の思い上がり。若いときは誰でもあること。私も彼と同じ年齢の時にはそうだった。

しかし、会社として、社会人として厳しさを教えなければいけない。

その日、彼は、親方の指示に従えず、帰ってしまったそうです。

それを、本人から聞き、何があったのかを聞く為に、事務所に来てもらいました。

もちろん、最初から頭ごなしに怒ったわけではありません。

彼の問題の深い部分を聞く為に、色々な角度から話を聞き、

彼の問題を探りました。

その結果、彼自身の思い上がりだったわけです。

これは、後から親方に聞いたのですが、親方自身、なんとも感じてなかったそうです。

帰ることに、親方は頭にもきてなかったし、彼の仕事が終わったから、帰ったのだと思ったらしく、

「のんきだな~」と思ったのでですが、結局彼自身の心に問題が発生していたようです。

本当に彼は、向上心があり、会社の人たちから、みんなに可愛がられていました。

私も、みんなと同じように可愛がっていました。仕事もどんどん吸収していったので、

他社への武者修行もさせることもありました。

一方、うちの親方は「ザ・職人」という人で、こんなに丁寧に仕事をする人も珍しいくらいの

人で、良く動く人です。ただ、丁寧さは人一倍あるのですが、進むスピードが少し遅いという

欠点があります。

ですから、少しスピードが出てきた彼にとっては、

自分の方が出来るという勘違いをしていたようです。

彼の尻拭いをいつも親方がしていたことも知らず・・・・・

気持ちは分かります。

全体からすれば、ある一部分だけを見て、自分が全て上回っているという

勘違い、誰でも経験することです。

だから、私も彼に何度も、チャンスを与えました。

「自分が悪かった」この言葉が聞けたら、この想いを感じたら、私は彼を許すことが出来た。

しかし、その想いは聞けなかった。

自分一人で成長し、自分一人でここまで来た。こんな、気持ちでしょう。

でも、振り返ってほしい。君に養生を教えたのは、誰だっけ?刷毛の使い方、

ローラーの使い方、足場の組み方、誰が教えたっけ?

君が武者修行をする時、誰がその段取りをしてくれた?君が頑張る姿、誰が応援してくれた?

私が君に怒鳴っている時も、誰が君をフォローしてくれた?

君が成長する過程にどれだけの人たちのサポートがあったのか?

君はまだ気付けていないようだね。

だから、私は苦渋の決断で、君を解雇した。

本当は、一緒に仕事したかった。君の成長を見たかった。でも、君にとって環境の良すぎる

マルキペイントは君の精神性の成長を止める原因だと分かった。

だから世の中の厳しさを伝えなければいけないと感じたんだ。

私が職人をやっていた頃、労働者を人扱いされないこともよくあった。

ゴミのように扱われ、いらなければ使い捨て。こういった思いをすることも、重要なのかも知れないね。

解雇という手段を使って君の成長を願った。君に気付きを促がした。

今は、無理かも知れない。でもいずれ君が「気付き」を得ることを願っているよ。

そして、職人として、人間として大きく成長した姿を、いつか、見せてくれること願っているよ。

63歳の挑戦

今年、63歳になる母親が新たなるチャレンジをしました。

それは、弊社の営業をやるということ。

営業職というのは、お客様と弊社の商品サービスのパイプになり、

お客様の価値を引き出す大事な仕事です。

もともと、下着の販売をやっていた母親にとっては、

コミュニケーションをとることは問題ありませんでした。

しかし、自分の知らない世界に飛び込む勇気は本当に大変だったと思います。

ただ、思った以上に本人にとっては、やりがいを感じているようで、

社内でも、前よりも生き生きしている母の姿を見ることができるようになりました。

いくつになってもチャレンジすること、本当に素晴らしいことだと思います。

母の「生きがい」のお手伝いができたことも、私自身の喜びです。

いつまでも輝き続けてほしいものです。がんばれ、かーちゃん!