両親へ

営業初心者の母親が初契約を頂いた。

やった、やった~、すごい、すごいよ!!

でもね、あなたが出来ること本当は分かっていたよ。

あなたなら出来るって信じていた。

契約を頂いたことも、もちろん嬉しい。でもそれ以上に嬉しいのは

あなた自身、自己重要感を感じられる場ができたこと。

それを、私が提供できたこと。本当にうれしかった。

思えば、10年前、右も左も分からない世間知らずの私が、

矢面に立たなければならなくなったこと。

あの頃、あなたたちを恨むことでしか生きていけなかった。

誰かのせいにしなければ、生きていけなかったんだ。

死ぬか、生きるか、つらい時間を何年も過ごした。

その中に、何度もサポートしていただいた方と巡りあい、私は「感謝」を覚えた。

でも、今からから考えれば、その方たちに出会えたことも、

きっとあなたたちが見守ってくれてたからだよね。

それに気付かず、ずっとあなたたちを否定し続けた。

私は、あなたたちを親として失格だと暴言を何度も吐いた。

でもね、今、世間様から人並みに認められる私がここにいることに気付いた。

ラジオにも出させて頂き、新聞にも載った。セミナーの依頼のお話も頂いた。

尊敬する椎名先生の本の題材にもさせてもらえることにもなった。

あなたたちは、恨まれるという手段を使って、私に試練を与えてくれた。

そして、世間様に認めて頂ける私を育ててくれた、立派な親だったんだと気付いた。

あなたたちの、深い愛を感じたとき、偉大さを感じた。

きっと、私とは比べ物にならないくらいの愛を持っていたんだね。

だから今、父親と母親に自己肯定出来る場を提供できたことが、本当にうれしい。

あなたたちに比べたら、わずかかもしれない。

でも、私にとってあなたたちに出来る最大のプレゼントなんだ。

この、数年間、あなたたちに一生分の否定をしてきた。

だから、これからは一生をかけてあなたたちを肯定していける。

いつまでも、尊敬できるあなたたちを誇りに思うよ。

あなたたちの息子に生まれて良かった。ありがとう。

 

マーケティングと販売

先日、新しいカーディガンを着ようと思ったら、ボタンがポロリ・・・

「新品なのになんだよ~」

と思いつつ、後でつけ直せば良いと思い、そのまま着ていることにしました。

その後夕方になり、袖のところが、5センチくらいほずれてきていました。

「これはダメだな」と思い後日、返品、もしくは新しいものに交換して頂こうと思い、

店に行くと、若い店員さんが、申し訳なさそうに一生懸命、新しいものを探していました。

しかし、在庫がなかったらしく、他店から取り寄せになるということでしたので、

だったら「郵送でうちに届けてください」

と頼んだところ、「郵送料がかかってしまいます」とのこと。

私は思はず「あのさぁ、商品が問題なのはそちら側の問題でしょ?

今日だって、交通費使って時間使って来て、またさらに来いってこと?

だったら、返品するからお金返して」

と言うと、「少々お待ちください」と言って、裏のほうに慌てて戻る店員さん。

その後5分くらいして、「こちらで郵送料持ちますので・・・・申し訳ございません。」

彼は、平謝りで対応するので、「オッケー。じゃあ、お願いします。」

と言って店を後にしました。

その後輸送されてきた商品にを見て、がっかりでした。

なぜなら、商品はしっかり入っていたのですが、手紙が入っていなかった。

私は「気持ち」を確かめたかったのです。もし手紙が入っていれば、お店に電話して

「ありがとう」という言葉が言えたのに。

私も商品が問題なことにケチをつける気はありません。

色々取り扱っていれば、不良品もあるでしょう。

しかし、そのあとの対応が1番なのです。

まさしく「在り方」ですね。

ドラッカーの勉強をしていたときにマーケティングと販売の違いを教えてもらいました。

販売は、業者側の都合の良いものを売ること。

マーケティングはお客様の価値に合わせ、満足してもらうこと。

同じようで全く違います。そこの洋服屋さんは販売をしている会社なのだと気付きました。

次回は、もう行くことはないだろうな~。

 

最後の願い

事務所中に私の怒鳴り声が響き渡る。

大きな怒りの裏に隠されている、大きな悲しみ。

若い職人の思い上がり。若いときは誰でもあること。私も彼と同じ年齢の時にはそうだった。

しかし、会社として、社会人として厳しさを教えなければいけない。

その日、彼は、親方の指示に従えず、帰ってしまったそうです。

それを、本人から聞き、何があったのかを聞く為に、事務所に来てもらいました。

もちろん、最初から頭ごなしに怒ったわけではありません。

彼の問題の深い部分を聞く為に、色々な角度から話を聞き、

彼の問題を探りました。

その結果、彼自身の思い上がりだったわけです。

これは、後から親方に聞いたのですが、親方自身、なんとも感じてなかったそうです。

帰ることに、親方は頭にもきてなかったし、彼の仕事が終わったから、帰ったのだと思ったらしく、

「のんきだな~」と思ったのでですが、結局彼自身の心に問題が発生していたようです。

本当に彼は、向上心があり、会社の人たちから、みんなに可愛がられていました。

私も、みんなと同じように可愛がっていました。仕事もどんどん吸収していったので、

他社への武者修行もさせることもありました。

一方、うちの親方は「ザ・職人」という人で、こんなに丁寧に仕事をする人も珍しいくらいの

人で、良く動く人です。ただ、丁寧さは人一倍あるのですが、進むスピードが少し遅いという

欠点があります。

ですから、少しスピードが出てきた彼にとっては、

自分の方が出来るという勘違いをしていたようです。

彼の尻拭いをいつも親方がしていたことも知らず・・・・・

気持ちは分かります。

全体からすれば、ある一部分だけを見て、自分が全て上回っているという

勘違い、誰でも経験することです。

だから、私も彼に何度も、チャンスを与えました。

「自分が悪かった」この言葉が聞けたら、この想いを感じたら、私は彼を許すことが出来た。

しかし、その想いは聞けなかった。

自分一人で成長し、自分一人でここまで来た。こんな、気持ちでしょう。

でも、振り返ってほしい。君に養生を教えたのは、誰だっけ?刷毛の使い方、

ローラーの使い方、足場の組み方、誰が教えたっけ?

君が武者修行をする時、誰がその段取りをしてくれた?君が頑張る姿、誰が応援してくれた?

私が君に怒鳴っている時も、誰が君をフォローしてくれた?

君が成長する過程にどれだけの人たちのサポートがあったのか?

君はまだ気付けていないようだね。

だから、私は苦渋の決断で、君を解雇した。

本当は、一緒に仕事したかった。君の成長を見たかった。でも、君にとって環境の良すぎる

マルキペイントは君の精神性の成長を止める原因だと分かった。

だから世の中の厳しさを伝えなければいけないと感じたんだ。

私が職人をやっていた頃、労働者を人扱いされないこともよくあった。

ゴミのように扱われ、いらなければ使い捨て。こういった思いをすることも、重要なのかも知れないね。

解雇という手段を使って君の成長を願った。君に気付きを促がした。

今は、無理かも知れない。でもいずれ君が「気付き」を得ることを願っているよ。

そして、職人として、人間として大きく成長した姿を、いつか、見せてくれること願っているよ。